第二外国語の選び方は、「軸」さえ押さえればOK!東大新入生に向けて

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中国語

概要

中国語は中国で公用語として使われている、誰もが知る「世界で一番母語話者が多い言語」です。

二外として主に勉強するのは、標準語として使われる「普通話」でしょう。

比較的実用性はあると考えられていますし、選択肢として検討する新入生はかなり多いと思われます。

しかし、語形変化がないゆえの読解・作文の難しさ、声調を少し間違えると全く通じないという面倒臭さ、漢字の学習の難しさなど、「実用的」と言えるレベルまで習得するまでの道のりの険しさは、他の言語と比べても際立っていると思います。

そのため、なんか使えそうだし、無難そうだし、というノリで気軽に選ぶ新入生に対しては、「ちょっと待って、もう少し深く考えてみ」と個人的には思ってしまいます。

もちろん、よく考えた上で選ぶ分には全然問題ないと思います。

学ぶ上での「地雷」などもなく、想像した通りに難しい言語ですので。

履修者の声

もっとも重要なのは、別に中国語には「アル」という語尾はないことである。

次に重要なのは、この言語の難しさについてだ。

「中国語は漢字だから簡単」とか「英語と語順が同じ」とか発言したら背後から麻婆豆腐が飛んでくることは必至。生半可な覚悟で選択せず、中国語はわりと難しいということをしっかりと認識しておく必要がある。

発音はかなり習得に時間がかかり、文法も語形変化(名詞の格変化、動詞の活用など)がないとはいえ、だからこその独特の難しさがあり、慣れを要する。

初級の段階でも既に苦労する部分は多くある。

さらにリスニングは、二外の授業だと実際の会話よりもはるかにしゃべるのが遅いのにもかかわらず、鬼難易度である。

一方でそれに見合うだけの面白さがある言語でもある。

日本語にはない漢字が大量に現れ、見慣れた漢字でも日本語と違う使い方をしており面白い。漢字が好きなら迷わず中国語を選ぶべきだ(韓国朝鮮語を漢字・ハングル混ぜ書きする教員はいないと思う)。

簡体字を覚えれば、ノートを取るときにも便利であるが、人にノートを見せられなくなるので注意。

量詞(日本語の「1個、1枚」のような助数詞に相当するもの)の使い分けは興味深く、「犬」と「川」を同じ量詞で数えるのを知った者はみな感動して北京ダックのような涙を流すであろう。

クラスの雰囲気はとてもよい。変な人はあまりいないが、とても良い人が多く、一人一人個性を持っており、クラスメイトの8割くらいは熱心に勉強し、真面目ではあるが笑うとこでは笑い、社会主義核心価値観は全部暗記している(嘘)。

ただし、好きな言語や国・地域にこだわりがある場合、クラスの雰囲気で二外を選ぶのはやめておいた方がよい。あくまで二外を選ぶときの判断基準は、興味を持てるかどうかや学習のモチベーションが出るかどうかである6

実用性に関して、二外を1年間終えた程度でもがんばれば道を聞く程度ならできるようになる。

しかし、中国語でニュースや文学作品を読んだり、自分の意見を陳述する作文を書いたり、ネイティブが早口でしゃべる中国語を聞き取ったり、福建省に住んでる餃子職人の陳老師(てきとう)と中国語で談笑したりできるようになるには、二外の授業が終わってからも自学自習を続けなければならない。

どの言語にも言えるかもしれないが、実用レベルに持っていくためには授業外での学習が肝心である。

さらに、中国語(普通話)を学ぶことで、前期教養では第三外国語として開講されている広東語・上海語・台湾語が習得しやすくなるというメリットもある。

中国語の方言は本当にどれも個性的で面白いのだが、ここでその魅力を語ると99999文字くらい増えてしまうので割愛する。

言語好きかつ暇な人は私のように中国語・広東語・上海語・台湾語を全部履修してみよう。

ただし、どの言語を選んだとしても、単位や点数の取りやすさは教員に依存する。特段中国語が進振りに有利ということはなく、自分の興味がある言語および点数をくれる教員で有利に、興味がない言語および点数をくれない教員で不利になるというだけだ。

あれこれ書いたが、中国語はとてもおもしろく、学ぶ価値がある言語であるし、二外だけで学習を終えてしまったとしても、きっとなにか得るものがあるはずだ。

韓国朝鮮語

概要

最後は、韓国朝鮮語です。

K-POPやK-Dramaでお馴染みの韓国はもちろんのこと、北朝鮮と、さらにアムノッカンを超えた先にある中国の延辺朝鮮族自治州でも広く話される、それなりに話者の多い言語です。

語族としては、日本語での定訳は知りませんが7、チェジュ語とともにKoreanic Language Family(한국어족)を形成しています。

そして、日本語母語話者にとっての学びやすさという面で二外の圧倒的上位に来るのも、韓国朝鮮語であると言って間違いないと思います。

というのも、韓国朝鮮語は日本語と同じように名詞に助詞(韓国語学では「語尾」という)をつけますし、文構造は日本語に近く、さらに語彙は中国語由来の漢字語を多く共有しているので、慣れさえすればかなり速く学習できるでしょう。

同じ漢字圏の言語として、中国語もよく引き合いに出されます。しかし、中国語が文構造が日韓とかなり異なる上に、発音でも声調を持っていて、雰囲気がかなり異なります。

一方、日本語にはアクセントがありますが崩れても通じますし、韓国朝鮮語には基本アクセントによる区別がありません8

まあ、そういう細かい理屈は抜きにしても、韓国朝鮮語と日本語はリズム感とかかなり似ているのではないでしょうか。

さらに、韓国・北朝鮮は、隣国として、長い歴史の中で様々な文化的・政治的な交流を日本を交わしてきました9

「朝鮮半島を知るということは、日本を知るということ」だと考えて、韓国の音楽とかドラマに直接興味があるなどでなくとも、特に理由がなくとも、ぜひ韓国朝鮮語を二外として選んでみてください。

ちなみに女子の数はフランス語よりもさらに圧倒的に多いので、男子クラスで孤立したくない人にまたおすすめです。

履修者の声

クラスは大体、「K-POPに興味があって来た」「簡単な言語だと聞いて来た」の2パターンの人間でほとんど占められています。

ただ、個人的には「簡単な言語だと聞いたから」というのはお勧めしません。

というのも、東大の韓国朝鮮語科には、泣く子も黙る大鬼教員がおり、その先生の手にかかろうものなら、単位はかろうじて取れるのがデフォ、優(単位不可も含めた5段階評価の上から2番目)以上は夢のまた夢という極端に厳しい基準で採点されてしまうからです。

その先生に出会わなければ…まあ、なんとなるかもしれません。

ただし、「言語として簡単」と「いい成績を取りやすい」は決して両立せず、むしろ先生の側から見て基準が高くなりがちです。

文法事項で覚えることが少ないので試験は単語勝負になりがちで、単純暗記に弱い人はかなり苦労すると思います(自分のことです、はい)

それに比べたら、難しい言語の先生の方が、ちょっと覚えたら「こんなに覚えられてえらいね」と言ってくれそうですね。

とまあ、ここまでは否定的なことを書きました。

しかし、もちろんながら、いい面もたくさんあります。

その中でも個人的に一番大きいのは、「言語が簡単」であるがゆえに、「二外として1年間学んだらそれなりに使えるようになる」ということです。

この面では、他の二外の言語とは圧倒的に差別化される部分だと思います。

まあ、結局「興味がある」ことが一番です。

ぜひ、自分の語学力に自信がある方も、そうじゃない方も、興味があれば取り組んでください。

以上、このパートの「履修者の声」だけ筆者自身が担当しました。

まとめ

これらの情報をいろいろ参考にした上で、結局大事なのは「自分が後悔しなくていい選択をできたか」だと自分は思います。

以上、ご拝読いただきありがとうございました。

ぜひ、これからの記事とサークル活動でもみなさまと関わっていけると嬉しいです。

  1. NHKの「ハングル講座」や「ハングル検定」みたいな、文字の名前を言語の名前っていうことにしてしまうパターンもありますね。ちなみにハングル検定にはガチの北朝鮮の文章が出題されることもあるらしいです。 ↩︎
  2. まあ、二外の実用性って基本考えない方がいいんですけどね。 ↩︎
  3. https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_and_territories_where_French_is_an_official_language ↩︎
  4. 補足で説明すると、入試の英語で成績上位の人が申し込むことができ、通常の二外の他に「インテンシブコース」などの追加の授業が必修になったり、実際に現地に行って言語を学習する短期留学プログラムのようなものにも参加できたりします。その代わり、TLPの履修を続けるには一定の成績条件を満たし続ける必要があります。これ以上詳しいことは年によって変わる可能性があるので、履修の手引きを参考にしてください。 ↩︎
  5. https://www.ethnologue.com/language/rus/ ↩︎
  6. (編集者註)これは本当にそう ↩︎
  7. どう訳しても政治的な問題が出るのは確実なので ↩︎
  8. 日本の福井県などにある「無アクセント」地域の方言に近いものと思っていただけるとわかりやすいと思います。一応「自然なイントネーション」はありますが、それが共通日本語の「端」と「橋」のような単語の意味の区別に全く関わらないのです。 ↩︎
  9. 北朝鮮も意外と文化交流してて、ポチョンボ電子楽団の日本公演などいろいろありますね。北朝鮮と日本は意外と仲がいいのかもしれない。 ↩︎

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