【駒場祭号】韓国語の漢字音に関するちょっとしたおはなし

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アイキャッチ画像、漢字文化圏を構成するそれぞれの地域を表す漢字四字。出典はFile:HanWaHanViet.jpg. Wikimedia Commons. 30 Nov 2022, 00:43 UTC. 2023年11月22日最終閲覧。ライセンス: CC BY-SA 3.0

こんにちは。うにです。前回の五月祭号には寄稿できなかったのですが今回は間に合いました。最近授業で韓国漢字音について触れる機会があって、それが面白かったのでその一部を記事にしてみようと思い立った次第です。漢字文化圏は互いに同じ語彙を共有していて、しばしば発音も似ています。例えば、「利用」りようlìyòng이용などのように。

韓国語の漢字音から日本語の漢字音への対応関係にはかなりの規則性がありますが、逆はあまり規則的ではないようです。そのため、どちらかというと韓国語の漢字音の規則は韓国語が母語で日本語を学習している人には効果が大きいですが、韓国語学習者にとっては初めて見た漢字の言葉の意味を予測しやすくなるというぐらいの効果にとどまるかもしれません。とはいえ音の対応を知っておくと単語の暗記もしやすくなるのでとても良いです。

さて、私がこの音の対応で単語を覚えようとしたとき、ちょっと苦戦することがあります。それは韓国語のㄴㅁで終わるような漢字音です。これらの音は日本語だとどちらも「ん」になります。韓国語の方を思い出そうとしたとき、ㄴㅁのどっちの音だったかを忘れてしまうと、日本語からは復元できなくなってしまいます。

復元しようとしたら別の言語を頼るしかありません。漢字ですから、中国語の知識があればこれの判別に活かせるのではないかという気がしてきます。しかし実は現代の中国語の普通話ではこの区別はないので、中国語の知識があっても無理だということになります。

実は広東語では現代もこのnとmの末尾音の区別が残っています。そして韓国語と広東語で漢字語彙を比べてみると、確かに末尾のnとmの音がちゃんと対応しているということがわかりました。

つまり、広東語の単語の知識があればこのnとmの区別に悩まなくてもよさそうだということになりますね(そのために広東語を覚えなくてはいけなくなりますが……)。逆に言えば、韓国語の漢字語の知識をある程度広東語にも活かせそうだという気もしてきます。そんなこんなで面白いところにシナジーがあったという話を少しみなさんに紹介したかったという感じでした。

今回の記事ではあまり深いことは書けませんでしたが、何かしら続きをかけたら良いなと考えています。

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